くれびとの心を全国へ よさこいの本場 高知への挑戦


私達の町、呉はかつて、軍港として栄え、世界一の戦艦大和を造った町です。
そしてだからこそ、戦後、平和な港町への再生を強く誓ったのです。
戦艦大和は1945年4月、海に沈みました。そのちょうど60年後、
呉に「大和ミュージアム」がOPENしようとしていました。
僕達は、くれびととして、その誓いを受け継いでいこうという決意をこめて
阿賀中OBソーラン隊から 呉市の青少年のよさこいソーラン団体として
「YAMATOくれびと」とチーム名をかえたのです。

 この曲は、イラク戦争のさなか、日本中の平和を愛する心を集め、大きな和の心の大切さを世界に訴えたいという思いからつくった曲です。
 踊りは、阿賀中OBソーラン隊の隊長の前田君を中心に、海岡君達が協力して作り上げた熱い踊りです。
 また、巫女の踊りは、巫女隊長の出来さんを中心に練り上げてきたものです。

阿賀中&OBソーラン隊として、呉みなと祭り、FFきんさいよさこい、呉よっしゃこい祭、高知よさこい全国大会などで披露しながら少しずつ練り上げてきました。
 そして、その後、呉市の84名の中高生を結集し、「YAMATOくれびと」というチーム名で
9月7日の「プレよさこい甲子園」に出場しました。
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 賞はとれませんでしたが、毎日新聞にうれしいコメントをいただきました。以下、9月14日付けの毎日新聞の高知版の記事からの転載です。

[支局長からの手紙]北川達之・高知支局長 「甲子園」での評価
 よさこい祭り50周年記念として始まった「よさこい甲子園 」のプレ大会が今月7日、高知市の中央公園および帯屋町アー ケード内でありました。中学・高校チームによる躍動美の競演 とあって、本祭時に近いにぎわいでしたが、そんな中でただひ とつ気になったのが審査です。  
 「えー、くれびとは選外?」。発表結果は私の評価とは幾 分異なるものでした。戦艦「大和」を生んだ広島・呉市の若者 として平和への祈りを踊りに込めたという「YAMATO・く れびと」の渾身(こんしん)の演舞が、私には最も輝いて見え たのです。  チームリーダーはステージ上でそのメッセージを高らかに訴 え、続く踊りも力感にあふれ、よさこいが単に芸能としてだけ でなく、ある種理念を伴った社会活動として広がりつつあるこ とを実感させるものでした。
 閉会後、公園の隅で肩を落とすリーダーに私は語り掛けまし た。「私は審査員ではないが、君らの踊りが一番素晴らしく見 えた。君のリーダーぶりも立派だったよ」と。  「ありがとうございます。そう言っていただけると……」。 日に焼けたリーダーのほおに涙が光っていました。
 芸術性が強いよさこい。評価には主観的要素も必要です。客 観性を担保しようと技巧点ばかり重視すると誤ります。まして 、今度の場合「甲子園」。参加チームの多くが「競技性」を強 く意識していたはずです。何が、どう評価され、受賞に結び付 くのか、関心を寄せていたことでしょう。
 私は少なくとも、審査基準を広く公表し、かつ表彰式では受 賞チーム名を読み上げるだけでなく選考理由を述べて、合わせ て個別チーム名をできるだけ多く挙げながら全般的講評を行う 必要があると思います。
 せっかく遠隔地から駆け付けて受賞できず、釈然としないま ま悔しい思いで帰る若者の姿は見るに忍びません。「惜しくも 選に漏れたが、君らはこの点が群を抜いて素晴らしかった」。 その一言がどれだけ救いになるか。一考をお願いできればと思 います。

                                       【高知支局長・北川達之】

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